▼社会背景と経営課題
 
調剤薬局は、これまで市場の拡大とともに多数の異業種も取り込みながら成長を続けてきました。
しかし、2006年の調剤報酬改定で実施された調剤基本料の引き下げをきっかけに政策転換がなされ、調剤報酬の減額や薬価引き下げが今後も更に進み苦境に立たされる事が予想されます。
また、後発品(ジェネリック薬品)の普及政策も調剤薬局の在庫が増え、薬局の資金繰りや費用面での深刻な負担がのしかかってきていることは言うまでもありません。
 
それでは、調剤薬局の生き残りを米国調剤薬局と重ね合わせて考えた場合、日本版のウォルグリーンやウォルマート・ストアーズが誕生し小規模の薬局は淘汰されて行くのが末路なのだろうかと言うことになりますが、日本の現行法では難しいと考えられます。 その理由は、チェーン化しようとしている調剤薬局の利用者に対する生産性やサービスの内容が現行法により制限をかけられているからに他ならないからです。
つまり、日本で最も多い小規模の薬局にも現行法では、まだまだ、活路を見出すことができると言うことになります。
 
▼利用者ニーズに応えられているか
 
「医療機関とて、サービス業の一種である。」とは、よく言われている事かと思います。
経営者の中には、社会的使命とサービス業としての狭間で何かをしなくては、と考えている方も多くいられるかと思いますが、なかなか手段が見つからない。
それは、考え方が社会的使命感にだけ偏り過ぎて、薬剤師と言う高い能力が必要な有資格者を中心とする集合体をサービス業としての側面から上手く転換できていないことにあるからだと考えられます。
 
例えば、「先生」と呼ばれる職業を考えて見てください。医者・弁護士・税理士など、その資格を有する事で行える守備範囲は一見広く見えますが、依頼する側も依頼を受ける側も専門分野かどうかの判断基準がそこには、存在するかと思います。
しかし、残念ながら調剤薬局の薬剤師も「先生」と呼ばれる職業ですが、他の類似する職業とは明らかに違う点として、薬の専門化ではあるが具体的な得意分野が見えない。つまり、ぼやけているのです。
 
利用者ニーズの本質は、より専門的な情報を自分がいかに受けることができるかで価値や魅力を感じるのではないでしょうか。
 
▼新しい具体的な価値を創造し見つけ出す
 
「利用者ニーズに応えられ具体的な新しい価値を作り出す。」
一見、難しいそうに感じられるかもしれませんが、そうでもありません。
今までの経験値や知識を集約した、他に負けない魅力的な専門分野を見つけ出せばいいのです。
一点に絞り込むことで利用者自身が受けられるサービスをご自身で想像しやすくなり、調剤薬局と言う空間が今まで以上に魅力的に感じられるはずです。
勿論、複数の専門分野が存在しても、その事を発信する表現方法に工夫をすれば、より厚みのある調剤薬局として認知してもらえることかと思います。
 
それでは、専門性を表現する方法を考えた場合、ターゲットを絞り込んで、広域に伝える効果的な手段としてウェブの利用が考えられます。
ウェブは、一点集中をさせれば、させるほど露出することができる特異的な要素を持っています。
これまでお話させて頂いた目的を達成するにウェブは、最適のツールのひとつですが、求人サイトの色合いが強かったり、専門性が何故かぼやけていたり、消費者目線で捉えると実につまらない。
つまり、上手に利用されているとは言えない状況下にあります。
だからこそ、調剤薬局が積極的にウェブを利用する有効性は、まだまだ、可能性を秘めている大型ツールであることは間違いない事実なのです。
 
「処方箋がなくても相談に来てもらえる魅力的な調剤薬局の在り方」を想像し、はじめの一歩を私たちと一緒に踏み出すのはいかがでしょうか。

▼調剤薬局の必要性・自己判断グラフ
 
調剤薬局関係者の方へお聞きしたいことがあります。
一般利用者の目線で是非、考えていただきたい質問です。
 
調剤薬局は、社会にどのくらい必要と思われていると感じますか?
 

 
(2)や(3)と回答された方は、恐らく調剤薬局に対して何かしらの問題点があると感じている方でしょう。
 
調剤薬局の「必要性」、或いは「存在意義」と言ったテーマを一度は、どこかで触れたことがあるかと思います。 少なからず、調剤薬局関係者の方なら身近な利用者の声として痛切に感じるところもあると思います。 もちろん、薬事法や薬剤師法からひも解けば、現在、行っていることは100%間違いないと言えるのでしょう。 しかし、調剤薬局の必要価値として評価されている現状は、腑におちない引っ掛かりや疑問を感じているところもあるのかと思います。
 
では、医療機関を利用する方の行動パターンを考えてみましょう。
 
▼医療機関利用者の行動心理
 
医療機関(病院・開業医)を受診される利用者には、無意識な選択行為が働いています。 つまり、単に病院や医院を選択するのではなく、専門医療機関(病院・医院)を選び診察を受けていると言う事です。 当たり前と言えば、当たり前のことですが、常識化された特別なことではないことが逆に目新しいことなのです。
 
次は、調剤薬局を利用する際の利用者心理です。
 
▼調剤薬局選択の利用者心理
 

 
詳しい条件は特に決めていませんが因果関係もないものとして考えてください。
高血圧症の持病を持ったAさんは、処方箋をどこの調剤薬局に持って行くのでしょうか?
恐らく、ア薬局に来局されると思いませんか。そして、その理由は明確で最も内科に近いからです。
利用者が調剤薬局を選ぶ際に目的を持って向かうだけの理由が調剤薬局には、あまりないのです。
 
それでは、次の場合はどうでしょうか?
 

 
ウ薬局は、「高血圧で悩んでいる方を生活面から支援する特徴を持った調剤薬局」です。
ウ薬局のホームページを見ると、ご家庭での血圧測定の必要性や管理スケジュール帳の使い方や測定器具の詳細。 そして、日常生活に配慮した栄養管理の方法などが相談できると書いてありました。
 
さて、あなたならどこの調剤薬局に向かいますか?
 
私なら、間違いなくウ薬局を選ぶことを迷うことなく選択します。
ウ薬局には、向かうだけの目的があるからです。
 
調剤薬局が特化した専門性をとらえ、情報発信をする事で利用者には選択の意識が働きます。
距離間だけではなく、そこに向かうだけの理由、つまり「目的意識」が生まれて来るのかと思います。

薬局をご利用されている方、そして、近隣にお住まいの方々へ喜んでもらえる企画の立案。

 

 

「かかりつけ薬局」を持ちましょう! と言われ始めてから数年が経ちますが(保険)薬局では、未だに利用者等とのコミュニケーション作りに苦慮しているのが実状です。

 

コミュニケーションとは、正直、難しいものです。一方的に人間関係を構築したくても恋愛と同じように相手が居ることです、嫌われるかもしれません。

 

お薬と言う媒体を使ってお話がスムースに進めば良いのですが、あながち、そうでもありません。
その方に関する総合的な情報を出来るだけ把握した中で本当の意味での薬局の本領が発揮できるのかと思います。

 

それでは、どのように「人間関係を構築」していけばいいのでしょうか?

 

 

 

私たちは、地場産品などを利用しての「きっかけ作り」を提案しました。

 

弊社がサイト制作でお世話になっている食品メーカーや小売店等にお声掛けをして(保険)薬局への販路を小ロットで展開できないかと参加を呼びかけたところ、双方のニーズが結び付き、実現することができました。

 

 

 

薬局待合室に地場産品(情報)を少しずつ散りばめた素敵空間を目指す。

さて、少し実行までのプロセスを見ていきましょう。

 

 

はじめに(保険)薬局にとって問題視された点を挙げてみます。

①仕入れロットが大きくないの? 在庫をあまり抱えたくない。
②新しいことを取り入れる事で”大変”にならない?

そこで、上に挙げた問題点について対応策を検討しました。

 

 

①ロットは、核家族が無理なく消費(あるいは、利用)できる単位を仕入れ業者に協力して頂きました。また、使用期限などの兼ね合いでデットストックになりやすい商品に関しては、受注発注形式を採用し、弊社で店舗用ポスターを作成して情報を発信しています。

 

②”大変”さを集約すると「流通の煩わしさ」と「商品知識の確立」に負担を感じていることが分かりました。店頭以外の販売で運送会社を利用する場合、無料ソフトなどを駆使してマニュアル化を進め、「商品知識」においては、仕入れ業者にお願いして商品早わかり資料を頂き、閲覧だけではなく社内SNSを利用しスマホなどからも見れるようにしました。

 

実店舗におけるサービス向上、強いてはコミュニティーの構築は、ECビジネスに置き換えて考えてみた時に気付くことが多々あるように感じられます。

 

ECビジネスは海に浮かぶ氷山に似ています。一般の人からはインターネット上のECサイトだけしか見えていませんが、海には見えない海面下に、商品の仕入れ、出荷業務、代金回収など、検討が必要な重要事項が沢山あります。実店舗においてのサービス向上も問題はバックヤードの作業が鍵となります。

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